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2011 年 3 月 25 日

財団法人日本産業デザイン振興会

デザイナーによるプロボノ 「IN-HOUSE OUT」 が、


「視覚障害者クライミング世界選手権大会 2010」 の成功に大きな貢献を果たす

日本で唯一の総合デザインプロモーション機関である日本産業デザイン振興会 (JIDPO/ 東京都


港区 ) は、 グッドデザイン賞の主催事業をはじめ様々なデザイン振興活動を展開するとともに、
次世代におけるデザインおよびデザイナーの社会的意義や新しい活動領域に関する調査事業
や各種の支援事業などを実施しています。

2009 年 1 月からは国内企業のデザイン部に所属するデザイナー ( インハウスデザイナー ) が企


業の枠組みを超えて自主的に集まり、 各人が業務で会得した専門知識や、 デザイナーが持つ
「IN-HOUSE OUT」
仮説提示力、 リアライズ手法などを活かし、 現代の日本社会で問題となっている各種の課題解 ロゴマーク

決の貢献を目的とした任意の活動体 「IN-HOUSE OUT」 に対して、 発足時からミーティングの


会場提供などの面で支援しています。

「IN-HOUSE OUT」 が 2009 年 7 月からコラボレーションを始めた最初のパートナーは、「フリークライミング」 という岩登りスポー


ツを通して、 視覚障害者を始めとする障害者の可能性を広げ、 その社会性向上や社会における障害者理解の促進に貢献す
る NPO 法人モンキーマジックです。

この NPO 法人モンキーマジックが企画主体となり、 2010 年 12 月 4 日 ・ 5 日に 「第 1 回 視覚障害者クライミング世界選手


権大会 2010」 ( 主催 : 国際スポーツクライミング連盟、 社団法人日本山岳協会 ) が、 千葉県習志野市にある習志野市東部
体育館で開催されました。 同大会において、 「IN-HOUSE OUT」 は主催者と協議を繰り返し、 「選手 ・ 関係者だけでなく、 観
客も一緒に盛り上がる大会」 をコンセプトに、 会場内外のサイン、 パンフレット、 ポスター、 リーフレット、 記念 T シャツ、 専
用ウェブサイト、 また BGM からオープニングイベント演出までトータルマネージメントを担い、 大会の成功を導くことに貢献を
果たしました。

同大会には、 イタリア、 ロシア、 マレーシア、 スペイン、 そして日本から出場した全 26 人の選手が集い、 2 日間に渡って各


種の競技を行いました。 また、 視覚障害を持った方々のクライミングを疑似体験できる 「まっ暗イミング 」 や、 障害の有無を
問わずにクライミングの楽しさを知る体験会なども行い、 見学者の総数は 2 日間で述べ 500 名を超えました ( 主催者発表 )。
NPO 法人モンキーマジックの小林代表理事は 「デザインという視点が、 障害者というテーマをこれほどスマートに仕上げたこ
とに驚いた。 ボランタリーでの彼らの支援がなければ大会はこのようなまとまりは見せなかったと思う。」 と 「IN-HOUSE OUT」
の役割を語り、 社団法人日本山岳協会の北山真氏は 「プレゼンテーションの段階で、 非常にレベルの高いデザインが多く、
選ぶのにかなり苦労した。」 と語っています。
また、 「IN-HOUSE OUT」 の発起人であり主宰人である寺澤知也氏 ( デザイナー、 所属 : NEC デザイン & プロモーション株
式会社 ) は、 「一年後に大会が行われることが決まっているだけの白紙の状態から自分がやりたいイメージを考え企画し現実
化するという、企業内ではなかなか味わえない貴重な経験が得られた。 また、大会の成功のために自分は何をすれば良いか、
メンバーそれぞれが自主的に考え連携しながら一つの成果を作ることが出来たと思う。」 と述べました。

今後も 「IN-HOUSE OUT」 は、 NPO 法人モンキーマジックの支援を行いつつ、 新しいパートナーとともに次のプロジェクトを


手掛けより良い未来社会づくりに必要な活動を展開し、 当会もサポートを継続していきます。

一般からのお問い合わせ先 : 財団法人日本産業デザイン振興会
電話 03-6743-3777 E-mail press@g-mark.org   担当 : 鈴木

報道関係のお問い合わせ先 : グッドデザイン賞 PR 事務局 (株式会社オズマピーアール内)


電話 03-3403-9505 FAX 03-3403-0289   担当 : 木村、 近江、 安藤
参考資料

■ 「IN-HOUSE OUT」 とは
「IN-HOUSE OUT」 は、 企業の枠組みを超えてデザイナーを中心に様々な専門家が集まり、 社会的な課題解決への取り組み実践から、
より良い未来社会づくりに必要とされる、 ネクストデザインパラダイムを探求する活動体。 そしてこの活動を通して、 個々のメンバーが
デザイナーとして成長すること、 所属する企業 ・ 団体に有益なフィードバックをもたらすことも合わせて目指している。 活動内容は、 近
年日本でも注目を集めている 「プロボノ」 のデザイナー版である。 2011 年 3 月現在、 インハウスデザイナーや独立したデザイン事務
所に所属するデザイナー、 フリーで活動するデザイナー、 デザイン系学校の教員や学生など、 約 30 人がメンバー。

●同大会で参画した主なメンバー ( 五十音順 )
浅野真帆 ( 専修大学 上平研究室 )、 石垣陽 ( 研究者 / セコム株式会社 )、 磯村歩 ( デザイナー / 株式会社グラディエ )、 馬越あゆみ、
片山典子 ( デザイナー /moviti design)、 上平崇仁 ( 専修大学 ネットワーク情報学部 准教授 )、 川嶋一広 ( デザイナー /NEC デザイン
& プロモーション株式会社 )、栗原由子 ( デザイナー / 株式会社スーパーマーケッツ )、小林幸一郎 ( 特定非営利活動法人モンキーマジッ
ク 代表 )、 小林真 ( 筑波技術大学 准教授 )、 齋藤敦子 ( 空間デザイナー ・ 研究員 / コクヨ株式会社 )、 高梨美奈 ( 特定非営利活動法
人モンキーマジック )、 竹尾穂積 ( 研究者 /TOTO 株式会社 )、 寺澤知也 ( デザイナー /NEC デザイン & プロモーション株式会社 )、 蓮
池陽子 ( 特定非営利活動法人モンキーマジック )、 馬場祐果、 深田美千代 ( デザイナー / 富士ゼロックス株式会社 )、 本田圭吾 ( デザ
イン専門学校 専任講師 )、 三輪英知 ( デザイナー / 鞄メーカー )、 安間幹 ( デザイナー )
* プロボノ (Pro bono): 新しいボランティア手法。 弁護士など専門家が無報酬で行う公益的活動。

■ 「特定非営利活動法人モンキーマジック」 とは
ロッククライミングなどのアウトドアスポーツの素晴らしさを、 視覚障害者など様々な人に伝えてゆくだけではなく、 当事者である視覚障
害者や晴眼者 ( 健常者 ) が一緒にスクールなどに参加することで、 視覚障害者や弱視者へのさらなる理解振興も目的として、 2005 年
に認可を受けた NPO 法人。 (所在地 : 武蔵野市吉祥寺、 代表理事 : 小林幸一郎)
WEB : www.monkeymagic.or.jp

■ 第 1 回 「視覚障害者クライミング世界選手権大会 2010」 とは
視覚障害者に適したスポーツとしてのフリークライミング、 その発展 ・ 普及の一環として、 ブラインド ・ クライミング競技会を国際的に定
着させることを目的とする。 フリークライミングは動かない壁を相手にすること、 ロープで守られていること、 マイペースで挑戦できること
などから、 視覚障害者に適したスポーツである。 このことは障害者支援の専門家による国際学会でも取り上げられ、 20 年前からの世
界各地の派生的な取り組みが事例報告されている。 わが国では 4 年ほど前から視覚障害者対象のフリークライミング講習会や競技会
を継続的に実施してきた経験があり、それらを活かし、視覚障害者クライミングの世界的な交流、発展を目的とした、この競技会を開催。
今大会ではクライミング競技 ( ディフィカルティ ) としての発展を目的として、 競技ルールやグレードなどを事前に発表し、 各国各地域で
競技に向けて準備できる期間を設けることで、 新たな競技としての成立を図る。 また総合順位のほか、 パラリンピックに準じた、 障害
の程度に応じた結果も発表している。
WEB : www.jma-sangaku.org/theblind/j/index.html

* 参考写真

① 大会メインビジュアル ② サイン ③ T シャツ

④ 会場風景 ( 全体、 体験クライミングウォール ) ⑤ まっ暗イミング


(開会式後のオープニングイベント)

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